夫婦間贈与2000万までの非課税制度 ここに注意!

 

20年間連れ添った夫婦間で、 そのご夫婦の間で1度だけ、住むための住宅

もしくはその住宅購入の資金のプレゼントについては2000万まで非課税

という制度。

贈与税の基礎控除の110万も合わせると2110万まで非課税になります。
素敵な制度ですがちょっとした注意が必要です。
27年から相続税が改正され相続税が増税されることはよく知られていますね。
相続税を少なくするためには、単純に言ってしまうと財産が少なくなれば
いいわけです。
 
そこで、この夫婦間贈与を使って財産を減らしておこう、というのは
自然なアイデアです。
しかも、この夫婦間贈与にはもち戻しの規定が及びません。
相続開始前3年以内の贈与財産は相続に持ち戻して計算するという規定が
あります。
つまり、せっかくの財産減らしのための贈与がなかったことにされてしまう
のですが、この制度による贈与なら、亡くなる直前の贈与であっても
相続税と切り離すことができるのです。
 
で、ここからは注意事項です。
住宅を贈与をした限りは登記をしなければなりませんが、登記には登録免許税や不動産取得税がかかります。もしこれが相続なら贈与より安いのです。
 
どのくらい違うかというと(ざっくりです)
固定資産税評価額に対して下記の税率をかけます。
贈与の時 登録免許税 2% 不動産取得税 3%
相続の時 登録免許税 0.4% 不動産取得税 非課税
 
きっちり2000万の不動産を贈与するのであれば、贈与なら100万かかるのに、
相続なら8万ですみます。
登記の税金だけでもこのように贈与は重いので、これに見合う相続税の節減額があるのかどうか、まずは考えてみられたほうがいいでしょう。
 
このように、贈与は登記代も重い上、相続税なら配偶者の税額軽減という制度があり、無理やり夫婦間贈与を使うまでもなく、配偶者にはほぼ無税で相続させることができるのだから、この制度は無意味だという意見もあります
 
ですが、2000万の財産を生前に移転することで財産額が相続税の
基礎控除以下になる方なら、そもそも相続の申告自体が必要なくなるので
申告の煩わしさやその費用などから解放されますし、相続税にとらわれず
自由に分割を考えることができるようになります。
 
そうでない方でも、財産額が2000万減ることで、相続税の適用税率が下がる
などの節税メリットがでるのであれば、夫婦間贈与の実行を考えるべきと
思います。
 
節税だけでなく、残された配偶者へ住宅だけは渡しておき、生活を守って
あげたい、という要請もあるかもしれません。
 
このように、相続、贈与は多角的な検討が必要です。
不動産だけ、株だけ、を見ていてもよいアドバイスはできません。
ますは財産のリストアップから初めてみてください。